景気動向・株価動向の相関関係と予測

(2005.09.26)


さ〜て,「拡大?後退?景気動向の見方」は,ご覧いただけましたか?景気動向を自分なりに判断できるようになると,投資家的には,景気動向と株価動向との相関関係ってどうなってんの (・_・?),景気動向から株価動向を予測した〜い (^O^),という気分ではないでしょうか.以下では,株価動向として TOPIX の動向を取上げ,TOPIX と景気の特に転換点(山,谷)に着目しながら,それらの動向の相関関係と予測に関して考えてみましょう.まずは,1986.01〜2005.07 の TOPIX と景気基準日付による景気の局面・転換点とを示します.

TOPIX と景気の局面・転換点(景気基準日付)

どうです?最後の谷の位置関係を例外として,TOPIX の転換点が景気のそれに先行しているのがお解りでしょう.それが経験的な相関関係です.すると,TOPIX の動向から景気動向を予測するのは出来そうですが,肝心かなめのその逆はまず無理です.ということで,TOPIX の動向を予測するには,少なくとも景気に先行する経済指標を探らなくてはなりません.景気に先行?そんなのありましたね?覚えてます?景気動向指数の先行指数.これは期待できそうです.TOPIX に先行しているかも知れません.ということで,1986.01〜2005.07 の CI 先行指数と TOPIX とを示してみましょう.

CI 先行指数と TOPIX

あれれ?CI 先行指数が TOPIX に先行する場合もあるにはありますが,頻度としては,その逆の方が多そうです.CI 先行指数速報発表が当該月の 1 ヶ月以上後であることも考え合わせると,CI 先行指数の動向から TOPIX の動向を予測するのも,止めといた方が良さそうです.どうやら,TOPIX の動向を予測するには,景気にかなり先行する経済指標を探らなくてはならないようです.生半可ではダメです.さあ,困りました・・・そこで,クミヤくんが,(マジで)一生懸命に探してみました.景気にかなり先行する経済指標を.じゃ〜ん,「鉱工業在庫指数」(経済産業省経済産業政策局調査統計部発表)です.鉱工業在庫指数の増減を反転させると,それが景気動向に比べてかなり先行した指標となるんです.これに関しては,いわゆる「在庫循環」という考え方があります.在庫が増え始める(反転グラフでは下降し始める)とやがて生産が落込み,在庫が減り始める(反転グラフでは上昇し始める)とやがて生産が上向くという経験則です.百聞は一見に如かずということで,1986.01〜2005.07 の反転した鉱工業在庫指数と景気基準日付による景気の局面・転換点とを示しましょう.

鉱工業在庫指数(反転)と景気の局面・転換点(景気基準日付)

どうです?景気にかなり先行していて,けっこう期待できそうでしょう?引続き,1986.01〜2005.07 の反転した鉱工業在庫指数と TOPIX とを示しましょう.

鉱工業在庫指数(反転)と TOPIX

( ) フフフ・・・如何です?反転した鉱工業在庫指数が TOPIX にキレイに先行しているのがお判りでしょう.鉱工業在庫指数の場合,速報発表が当該月の翌月下旬(27 日?)とけっこう早めなのもグッドです.

という訳で,鉱工業在庫指数が株価動向予測に使えそうなのは,お判り頂けたとは思いますが,ちと気になるのは,鉱工業在庫指数の最近の動向です.鉱工業在庫指数は 2004.07 を底(反転グラフでは山)にして若干ですが増大(反転グラフでは下降)傾向にあります.もしこれがそのまま景気後退に繋がってしまうと,2003.03 を底にして上昇傾向にある TOPIX 動向の今後が気になりますよね.近い将来,山をつけ下落に転じるのではないかと.(-_-;) ムム・・・

鉱工業在庫指数の詳細に関しては,経済産業省:統計から「統計発表資料:鉱工業生産・出荷・在庫指数」をクリックして参照して下さい.

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