【鉱工業生産指数】
鉱工業生産指数は,CI 一致指数の代用として使えます.つまり,景気の局面の判断・予測や転換点の判定のほか,景気変動の量感を測定するのに使えるのです.鉱工業生産指数は,元々,その名が示す通り,鉱工業の生産活動を把握するために作られた指数ですが,CI 一致指数の代用として充分機能します.まあ,百聞は一見に如かずで,1986.01〜2005.07 の鉱工業生産指数と CI 一致指数とをグラフ上で較べてみましょう.
どうです?変動の仕方がソックリでしょう?特に 1990 年代以降なんか,双子の姉妹(兄弟か?)のようです.なので,鉱工業生産指数の変動と景気動向との相関も高いです.1986.01〜2005.07 の鉱工業生産指数と景気基準日付による景気の局面・転換点とを示しましょう.
ということで,鉱工業生産指数を CI 一致指数の代用として用いても良いことは,ご理解いただけたとは思いますが,何故,鉱工業生産指数と CI 一致指数との連動性が高いのでしょうか?知りたいですかぁ?(−ー− ) フフフ・・・実は,CI 一致指数の採用指標の一つが鉱工業生産指数そのものである上に,他の採用指標として,鉱工業生産財出荷指数,大口電力使用量,製造業稼働率指数,製造業所定外労働時間指数,製造業中小企業売上高,製造業中小企業出荷指数と,鉱工業生産指数との連動性がけっこう高い指標がズラリと並んでいるからです.日本経済は,やはり,工業,製造業に負うている部分が大きいのです.あっ,そうそう,それから,鉱工業生産指数を CI 一致指数の代用として用いるメリットは何でしょうか?知りたいですかぁ?(−ー− ) フフフ・・・それは,何と言っても発表が早いことです.速報なんか,当該月の翌月下旬(27 日頃?)に発表されます.CI 一致指数の速報よりも 10 日くらい早いです.
鉱工業生産指数の詳細に関しては,経済産業省:統計から「統計発表資料:鉱工業生産・出荷・在庫指数」をクリックして参照して下さい.
次回は,景気動向・株価動向の相関関係と予測についてです.
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